岩手怪異語り:「天狗」神を憎悪した元修験者

どうも僕です

👺( ˙-˙ )⛰️

今回は遠野物語にも度々登場する天狗についてお話ししたいと思います👺

遠野物語では

河童が「水の怪」座敷童が「平地の怪」

そして天狗は「山の怪」の代表格です

一本足の下駄を履き、長い杖を持ち、修験者の衣装を身に纏った凶暴な人型妖怪

それが天狗のイメージですね

岩手県遠野市大工町にある 善明寺(浄土宗)というお寺には

「天狗の牙」が残され、保管されているそうです

さて、その牙の持ち主であった遠野の天狗は、いったいどのような怪異なのでしょうか

〈元は人間〉

この天狗、元は遠野の修験者(山伏)だったそうなんです

とても修行を積んだ、非常に法力の高い修験者だったそうで

「障慢持法坊」という修験名を名乗っていました

「彼」には奥さんと子供がおり、修行を積みながらもとても幸せに暮らしていたそうです

しかし…洪水が起こりました

遠野は元々、アイヌ語で「トー(湖)」という言葉が地名の由来と言われていることもあり

太古より非常に水害に悩まされてきた地でもありました

遠野の地を、そして彼と彼の家族を襲った洪水

彼は明神様の御加護により助かったのですが…

彼の奥さんと子供は流され、亡くなってしまいました

彼だけが取り残されたのです

「なぜ、俺だけ助かった」

「なぜ、妻や子供を助けてくれなかった…」

彼の怒りはいつしか、信仰していた明神に向けられ

そして彼の怒りは限界を突破しました

彼は神を呪い、信仰を棄て

そして今までの修行で培った法力を暴走させ

各地を飛び回り、暴れ、悪業の限りを尽くしたと言います

〈天狗となったその後は〉

その彼の牙がなぜ、冒頭に述べました善明寺にあるかと言いますと…

ひとしきり暴れた彼は、遠野の地を訪れた

金光上人

という人に出会い、そして説得され、改心して仏門に入ったそうです

金光上人というのは

浄土宗の開祖 法然 のお弟子さんで

北日本の地に浄土宗を普及させるべく、師である法然の命を受け、東北地方に浄土宗の普及に努めた人物です

その金光上人と、彼は遠野の地で邂逅したわけですね

改心して仏門に入ろうと思うに至るまで、いろいろあったのでしょうが

結果として彼は金光上人の弟子として仏教への道に入ることになりました

そこに至るまでの過程で何がどうなってそうなったのかは知りません

結果は結果です🌾( ˙-˙ )👍

それで

彼は改心して、もう暴れないという誓いの印として

自らの牙…ていうか歯を差し出した と

それが今現在も善明寺に遺されているわけですね

遠野物語の特徴として

ほとんどの怪異(一部のぞく)が、元は人間、あるいははっきりとした「生物」として語られていることがあります

それほど、かつての遠野では人間の世界と怪異の世界が近く、親密なものであったと言えましょう

今回の天狗も、前回紹介いたしました「サムトの婆さま」

mogumogu88.hatenablog.com

と同じく、とても悲しく不本意な経緯で怪異となってしまった存在ですが

今現在はきっと、仏様のもとで天国で平和に修行に励んでいることでしょう

そう思えば、「彼」のことを考える際に個人的に少しは安心します

最後まで読んでいただきありがとうございました

今回はこの辺で

押忍👺( ˙-˙ )🌾

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