岩手妖怪語り:「サムトの婆さま(バサマ)」〜異界に取り込まれた悲しき女怪〜

こんにちは、僕です☃️( ˙-˙ )🍵

「やまんば」と言う妖怪は、漫画日本昔ばなし(かつて放映されていた有名なテレビアニメ)や、児童文学庫においてもたびたび登場する有名な妖怪ですね

 

年齢に関わらず、人間が自然の中の異界に取り込まれて怪異と事例は、日本全国のいろんないいつたての中に確認できます

特に「山」…古来より山は人間が自然の恵みを収穫する場所であり、神々が降臨する神聖な場所でありました

神々の鎮座する、またはその山そのものが神として認識されている山は

神奈備(かむなび)」

と呼ばれて、人々の信仰の対象となってきました

さて、遠野物語には

「サムトの婆さま」

と言う名の老女の姿の怪異が語られています

⛰【 概 要 】

松崎村の寒戸と言う地に住むとある農家の家の娘が、ある人突然行方がわからなくなった

人々がいくら手を尽くして探しても見つからず…

やがてそれから30年後に、奇怪な姿の老婆となって村に帰ってきた

老婆は村に一泊だけして山に帰って行き、それから毎年決まった時期に村にやってくるようになった

彼女が訪れた時は必ず暴風雨が吹き荒れ、村人は彼女に恐れをなした

村人たちは霊験あらたかな巫女や山伏の力を借りて、村の境に石塔をたて、結界をはった

それ以降、老女はその村に来ることはなかった

以上がこの怪異の概要となります

遠野物語では「サムトの婆さま」と呼ばれておりますが、現地では「モンスケ婆」と呼ばれており、古くでは聞き分けのない小さな子供に対し

「こりゃ!(こら) モンスケ婆くるぞ!」

と言って叱りつけたそうです

新装版 遠野物語

水中の異界に取り込まれた女性のことを「水縁女」

山中の異界に取り込まれた女性のことを「山縁女」

と類別するそうですが、このサムトの婆様は山縁女に該当する怪異です

来訪と同時に発生する暴風雨は、きっと自然の、それも異界としての自然の大きな力が、彼女に「余波」となって身に纏われていたものの作用かもしれません

この一人ぼっちの怪異なんですが…

僕個人はなんだかとっても気の毒に感じてしまいます…(・Д・)💦

最後まで読んでいただき、ありがとうございました

今回はこの辺で

🖋押忍👻( ˙-˙ )♨️

 

 

 

 

 

 

 

 

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