皆さんはお蕎麦はお好きでしょうか?
岩手県は蕎麦の産地です。
奥羽山脈から流れ来るやませ(偏東風)と、そしてそれからなる冷涼な気候により、蕎麦の生産に適した土地とされてきたこの岩手県
前回ご紹介しました「わんこそば」をはじめ、独特の蕎麦文化が古来より培われてきました
その一端をお話しさせていただきたいと思います
【重箱とお蕎麦】
古くから岩手県の…特に北部の地方では、お蕎麦で来客をもてなす「そば振舞」という文化があります
それに加えて、来客にお蕎麦を振る舞った後
留守番をしていらっしゃるであろうそのお客さんの家族の方や、更なるおすそ分けなどを気遣い
重箱にお蕎麦やそれに付随する小料理(お漬物や和物、煮物など)を盛り込み、お客様に持たせるという文化があったそうです
例えば、茹でたお蕎麦を重箱に盛り付ける他に
(例)早春には新鮮なニラ、晩春には菊の花びら
これらを蕎麦湯で煮たものをお蕎麦の上にまぶして
季節感をしっかりと出したものをお土産として差し上げる。
これも一つのお作法だったようです。
そしてまた、重箱に収まるお蕎麦は手打ちのものに限られるので
そのおうちの人が、上手におそばを打てなかった時
つまり「ぶっといおそば」を盛り付けるときには、自身の不器用ぶりとお詫びする意味も込めて
「鉈(なた)で切ったそばでござんすども」
と言い添えるならわしもあったとのこと♨️
また、重箱の中には、当日のつけダレや薬味も添えられており、家に帰ってすぐにでも食べれるような配慮もされていたそうです
重箱そばの文化は、知れば知るほど、田舎の素朴で、なおかつ丁寧な心遣いが、文化として伝わってきたことを知ることができます