【改訂版】書籍紹介(漫画):北神伝綺〜「裏・遠野物語」の真骨頂〜

mogumogu88.hatenablog.com

北神伝綺(原作・大塚英志・画:森美夏

柳田國男(1875〜1962)

兵庫県出身の民俗学者岩手県遠野物語明治43年に発表した人物として有名です

本作は、その柳田國男…ではなく、その弟子

兵頭北神(実在するかしないかは読者の解釈次第です)が主人公です

舞台は昭和初期の日本

北神伝綺 (星海社PIECE電子書籍版)

彼は柳田國男の弟子でありましたが、諸事情あって破門され、作中では満州の地において拝み屋を営んでいます。

仕込み杖の使い手で、常人を遥かに超える身体能力を持っており

破門の際、師である柳田から山人に関する資料を大量に押し付けられて、その資料の保管係となっています(事実上)

先日ブログでお話ししました、東北に太古より住んでいる山人…

山人は大和民族(今の日本人)よりもはるかに強力な力を持っており、当然作中では天皇家の警戒するところとなります

兵藤北神は半分その山人の血を引く人物なのです



山人はその存在の危うさから、当時の天皇家の「神話に基づく系譜」にも反し

「存在してはならないもの」

とされ、当時の大日本帝国はその存在を抹消するために「山人狩り」と称して、山人に対して種族撲滅の動きをとっていました

なので、柳田國男は作中に山人に関する研究を封印し、破門した北神に全ての資料を押し付けて満州に追いやったのです。

そして、物語はその「山人狩り」の中、北神は師である柳田に再び呼び戻され

柳田のボディガードのような形で付き従い

「ある事件」を追う過程で、さまざまな出来事が柳田と北神に降りかかります

【黒い遠野物語を生々しく表現した大作】

これはその通りで、本来遠野物語とは河童や座敷童などが出てくる明るく不思議なメルヘン・・・などではなく

無惨で、暗く、哀しいエピソードが満載の「黒昔話」とでも言いましょうか、そのようなものです

この北神伝綺は、その本来の遠野物語の空気を踏襲しながらも、リズムのある台詞回しやミステリアスな画風で最後までどんどん読み進めることができる飽きのこない作品になあっています

なおかつ、凄惨で哀しい描写もありますが、不思議なことにそれでも遠野物語に対しての嫌悪が湧いてこず、畏怖を感じることも最終限に抑えられるのが優れたポイントです

そして、ここでも出てきます

岩手の詩人が

彼に関してこの物語を物語せしめる大きなエピソードがあります

ネタバレになりますのでここでは完全にお話しすることができませんが

印象的なセリフというか、表現を最後、抜粋いたします

『春と修羅』

「(宮沢賢治)この男、知りすぎている。あまりにも危険だ」

大日本帝国要人の台詞より)

…押忍🌋( ˙-˙ )✊

 

 

 

 

 

 

 

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岩手麺語り:「盛岡冷麺」〜辛口して食べるだけが冷麺ではない〜

どうも僕です🥢( ˙-˙ )⛰️

ちょっと前に盛岡冷麺の発祥について記事を書いたのですが

コレね⇩

mogumogu88.hatenablog.com

今回は盛岡冷麺の魅力&食べ方のパターンについて、自分勝手に書いております🌷

〜さて✒️(´・∀・`)〜

盛岡冷麺とは不思議なもので、一度ハマると病みつきになる…というのは、どの麺料理でも同じと思うのですが

盛岡冷麺もまた…徐々に…その人なりの「はまりパターン」というのが出来上がってきます

例えば、キムチは盛岡冷麺にはつきものですが、キムチのような辛いものが苦手な人も当然たくさんらっしゃるわけです🌶️(´ω`)💦

そういう場合は当然ながら、キムチ入れなくても全然構わないですね🥢

ある意味では、キムチを入れない「プレーン」な状態である方が、スープの旨みを純粋に味わうことができると思います

キムチを加えない状態の盛岡冷麺のスープはそれはそれは淡麗です

牛の美味しさがトロリと溶け出した冷たいスープに、キュウリのの酢漬けやゴマ、刻み葱の香が合わさってなんとも言えずふんわりとした風味を放ちます

  🐮   🌷    🧊

そして透き通った麺に絡ませて啜ると、キシッキシッと口の中で音が鳴り、甘い味が滲み出ます❤️

季節によって、スイカ、梨、リンゴなど、合間に齧る果物も魅力です

ちょっと今からお話しすることは番外ですが

冷麺を辛くない状態で食べるのが好きな僕の知人の食べ方をしまして

🔹盛岡冷麺を別辛で、そしてご飯も注文する

🔹別辛できたキムチと、冷麺の上に乗っているゆで卵をご飯の上に乗せて、それでご飯を食べながら、冷麺を啜る

という者もおりました

 🍚    🥚     🥢

彼の場合は、辛いものは好きですが、冷麺を辛くして食べるのが好きではないというタイプだったので、このパターンでしたね🥢(´・∀・`)

この食べ方、僕も真似しましたが、なかなか悪くないです

さて、今回は盛岡冷麺の辛くない食べ方について記事を書きました

今後も、このような岩手の名物の料理や食材のエンジョイ方法を、自分勝手に書いておこうと思っております⛰️

最後まで読んでくださりありがとうございました

今回はこの辺で

押忍🥢( ˙-˙ )🌌

〜⇩盛岡冷麺及び岩手の名産品⇩〜

 

 

 

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映画紹介:「わが心の銀河鉄道 〜宮沢賢治物語〜」

わが心の銀河鉄道宮沢賢治物語〜

(1996年:日本・大森一樹 監督・緒方直人 主演)

わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語 [DVD]

岩手の詩人であり童話作家である宮沢賢治さん

その宮沢さんを、文人として美化するのではなく

欠陥のある、そして生きるのにとても不器用な1人の人間として捉えた作品です

国柱会法華経)に傾倒するあまり、実の父と確執を起こし

そして親友である保坂嘉内との決別の中、ひたすら苦悩し

また、自信を愛してくれる、好意を伝えてくれる女性に対してうまく接することができずに癇癪を起こし、そして自己嫌悪に浸る

あまりにも不器用で、あまりにも人間的な、人間そのものの宮沢さんがこの映画にはいます

そんな宮沢さんを、俳優の緒方直人さんが魅力的に演じています

宮沢さんは天才だった…という人がいます

確かにその通りです

そして、宮沢さんはどの時代に生まれても、生き辛かっただろうと思います

あまりにも人間的ですから

そしてそれが宮沢さんの魅力であり、彼の世に出した作品が今日まで色褪せない要因なのだと個人的に思っています

押忍⛰( ˙-˙ )🌌

 

 

 

 

 

 

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岩手名物語り:戸田久「北緯40度 盛岡冷麺」

どうも僕です🖋( ˙-˙ )✊

盛岡冷麺

今や全国的にその名を轟かせている盛岡の麺文化の一つです

もちろん現地である盛岡市にはたくさんの美味しい盛岡冷麺を出すお店があります

ひしめいております🔥(`・∀・´)✨

さて、今回はお店の…ではなく、家庭用の冷麺を紹介していきたいと思います。

戸田久 盛岡冷麺 10袋

【昭和23年創業の老舗 戸田久】

岩手県の製粉・製麺の業界で代表格と言われている老舗の会社

それが 麺匠 戸田久 さんです

元々は、お蕎麦の製麺会社でして

昭和48年には昭和天皇・皇后両陛下に手打ちそばを献上している、由緒正しき製麺会社さんです。

その戸田久さんは、岩手県で初めて家庭用冷麺の開発に成功したのが

昭和56年のこと

これが「北緯40度 盛岡冷麺です

昭和63年にはコレで農林水産大臣賞も受賞しています🔥

すごいです🌋(´⊙ω⊙`)

滑らかで腰のある歯切れの良い麺と、キリッとした酸味のあるスープ、そして口の中が火がついたように辛くなる激辛の辛味だれ、これが戸田久の盛岡冷麺の特徴です。

個人的には、固茹での茹で卵に、たっぷりのきゅうりの千切りを加えて食べるのが大好きです。

戸田久 キムチ味 北緯40度盛岡冷麺 2食×5袋

冷たい麺料理なのに啜ると体内から熱くなる、しかししっかりと夏場は体を冷やすことのできる不思議な麺料理、それが盛岡の誇る文化、冷麺で

最後まで読んでくださりありがとうございました

今回はこの辺で

押忍🥢( ˙-˙ )♨️

 

 

 

 

 

 

 

 

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岩手名物語り:改訂版「わんこそば」〜真心と気合いのこもったもてなし文化〜

どうも僕です

🥢( ˙-˙ )🖋

岩手県盛岡市が、なんでも

「2023年に世界の行くべき旅行先」の第2位

に選ばれているそうです

大変に嬉しいことだと思っております✌️

改めて、盛岡の名物を発信しようではないか…ということで🥢

さて…🎶(´・∀・`)🥢

【はいジャンジャン🎶はいドンドン🎵】​​​
上記のようなお給仕さんたちの掛け声とともに、ドンドン手元のお椀に開けられる

お蕎麦 お蕎麦 お蕎麦🎶(`・∀・´)✨

岩手県盛岡市の名物​「わんこそば」​でございます

​お蕎麦はあらかじめお出汁に潜らせてあり

そして一口ですすれるくらいに量を小分けしています

食べる側は、手に一つわんこ(平椀)を持ち、そしてお給仕さんたちが食べ手が啜るそばから、ドンドンお蕎麦をお椀に追加します

だいたいわんこが15杯で、かけそば1杯分に相当します

( ・∇・)​

それを食べる側はお腹がいっぱいになるまで、ドンドン食べるわけですね✨

わんこそばの起源としまして

元々岩手県は北東北(かつて日本のチベットと言われていた時期もあります)の、とても冷涼な気候の土地で、あまり農作物も豊かとは言えませんでした

🌨️

​そしてその中で一番のご馳走であるお蕎麦を、お客様に心ゆくまで食べてもらおう…そういう心遣いから誕生したと言われています

【どうしてわんこ(平椀)なのか】​​
わんこに拘るのは、その由来は諸説ありますが、代表的なものとしまして

南部藩の27代当主であるお殿様 

南部利直公 が、参勤交代で江戸に登る途中

花巻という地に立ち寄り、そこで出されたお蕎麦を気に入り

わんこでお蕎麦を何倍もお変わりしたことがその起源となっているようです

また、そのほかにも

岩手県の北部では、お椀や重箱にお蕎麦を入れてお客様をもてなす文化があり、それも関係しているのかもしれません

【食べ方】
そんなに決まりきったマナーというものはありません

(`・∀・´)

わんこを手に取り、投げ入れられるそばからドンドンすすっていく

それだけです🌸(・ω・)ノ

​薬味は、ごまや、大根おろしなめこ、マグロのお刺身など

箸休めや味変などをしながら、心ゆくまでお蕎麦を啜ってください✨​

お腹がいっぱいになって

「もう食べられない」と思ったら

持っているわんこには、蓋がありますので

その蓋を閉めれば良いです

そうすれば、お給仕さんたちに「ごちそうさま」の意が伝わります

岩手県に来れば、わんこそばのお店は複数ありますし、どこが一番美味しいかは人それぞれなので

​興味のある方はググってみてください✨(`・∀・´)​

そして岩手にお越しの際は

お腹いっぱいわんこそばをどうぞ☀️

それでは今回もこの辺で

押忍🥢( ˙-˙ )✊

※↓岩手関連の美味しいもの🥢 

 

 

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まよいが 〜「遠野物語」より〜

どうも僕です🌾( ˙-˙ )✊

岩手県遠野市には、数々の異界…この世ならざる超常的なものについての言い伝えがあります。

 

佐々木喜善という人物が記録したその言い伝えの数々を、民俗学者である柳田國男が再編集して、全国的に有名にしたものが

遠野物語

です

ざしきわらし、かっぱ、経立(獣が歳をとり怪物化したもの)などなど、さまざまな怪異が遠野物語では語られていますが、その中でもかなり代表的な怪異がこれ

まよいが です

まよいがは別名「迷い家」という名前でも知られています

山奥に入った人間の目の前に突如として巨大なお屋敷の姿で出現します

お屋敷は完全に掃除が行き届いており、そして囲炉裏には火がともっていて

奥にあるお座敷には、さもコレから宴会が行われるかのように、立派なお膳がずらりと並べられています

しかし、無人です

誰もいないのです

やがて、そこに入り込んだ人間は恐ろしくなり、その屋敷をそそくさと後にするのですが

そのお屋敷から、お箸でも、お椀でも、髪飾りでも良いのです

何か一つでも持ち帰ると、その持ち帰った人は裕福になると言われています

 

そして、また、心の清いものがそこから何も持ち帰らない場合は

まよいがが

「その者、欲なくありて」

と判断した場合は…後日、「むこうから」来るそうです

川の水に乗って、そのものの所に流れてくるそうです

 

優しい優しい異界のお屋敷

それが まよいが です

⇩遠野及びおわて県関連資料及び食材🌱(´・∀・`)🌰⇩

 

 

 

 

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改訂版【ひっつみ汁】岩手の郷土食の代名詞

ひっつみ汁は、アバウトに言えば、すいとんをずっと栄養豊富にしたような料理です

水で練った小麦粉を「ひっつまんで(ちぎって掴んで)」お鍋に入れるので、その動作を由来に「ひっつみ」と呼ばれています

岩手県北部のとあるエリアでは「とって投げ」と呼ぶところもあるそうです

ひっつみが開発された当初は、お米は大変に重要なもので

節約をするために一日に一食は必ずお米以外の主食を食べたそうです

それこそ、お蕎麦であったり、そして小麦粉を練った団子や、そしてこのひっつみですね

今では立派な岩手の名物郷土料理です✨(´・∀・`)

伝統的なスタイルでは、小麦粉は冬はぬるま湯で、夏は冷水で練るとされています

耳たぶより少し柔らかいくらいにこねて、一時間ほど寝かせ、それを薄く伸ばして使います

大根、ごぼう、ニンジンなどの野菜を水を張った鍋で煮て、そして醤油や味噌で味付けをし

グツグツ煮立ったらそこに、薄く大きく伸ばしたひっつみを投入してまた煮ます

ひっつみは完全に火が通ると、お鍋の汁に浮かび上がってきますので、その時が食べごろです

🥢(`・∀・´)♨️

このひっつみにお肉を入れるとしたら、牛や豚よりだんぜん鶏肉が合います🐔

ハレの日などは、キジやカモの肉を入れたそうです

かなりのご馳走ですね✨

ひっつみの優れている点は、中国の餃子と同じで完全食であることがそれです

一つの料理で、炭水化物、ビタミン、タンパク質がいっきに摂取できますので、非常に効率もよく、体も温まります

日本全国の大家族のご世帯にも是非お勧めしたい料理です

デワデワ♨️(・ω・)ノ♨️

【岩手の名物もろもろ↓】

 

 

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